2011年7月14日木曜日

Shabazz Palaces


Welcome To The Warping Spider House

Jul 13, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Matt Oliver
Mastered by Sam Patlove
Translated by Teshi


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2日間ぐらい前、長女がご飯を食べている時にスプーンを持ってこう言った。無邪気に、何の心配も見せずに。「パパ、スプーンの上に小さいクモさんがいるよ!」僕らは近づいて娘が嘘をついているのか、何か幻想をみているのか確かめてみた。今回で二回目だ。前は違う状況だったけど、スプーンの縁には確かに目に見えない程小さいクモが這い回っていた。僕の妻はいつも寝てる間にクモが口の中に入ったりしないか怖がっている。どこかで「一年で知らぬうちに口に入るクモの平均数」の統計を見てからずっと恐れているのだ。僕がずっとクモの事を考えていたのはShabazz Palacesの最新作"Black Up"から、"An Echo From Hosts That Profess Infinitum"という曲を聞いていたからだ。この歌は、まるで脳が目の前で耳の中から溶けて出て行くような、不安を引き起こす音を鳴らしている。Shabazzが主導を執るIshmael "Butterfly" Butlerが作り出す音楽は全く新しい世界を作り出し、鏡の家(あるいは狂人のカーニバル)から暗黒の手を伸ばし僕らを捕まえようとしている。まるで何百もある足で道を歩き、全ての足が違う方向に進もうとしているようだ。しかしいつも体の中心、あるいは骨盤にしがみつき、何処に向かう事も出来ない。天才、あるいは狂人になりたがる奴(あるいは、全然成功出来ない狂人。彼の狂気にはいつも正常心と興味があるから)の思想がButlerの口の中からクモのように湧いて出てくる。波をつかむそよ風の中にシルクの糸を放り投げ、クモに新たな運命を与えている。"An Echo..."という曲には小学校の運動場で録られ、歪みを加え新しく編集されたサンプルが使われている。子供達のお喋りのコーラスがお互いを追いかけ合ったり草野球をしているように響く。Shabazz Palacesの曲で作られたエフェクターの音を聞くと、まるで太陽の毒で体がねじれるような気分になる。放射能でふらふらになってしまうような感じだ。Butlerが甘く、そして威嚇的に言葉を発し、それが脳内で広がり、頭の中が占領される気分になる。もう自分自身をコントロール出来なくなる。彼はクラブで物事が少し閉塞気味になってしまった時に、周りの人々に言うべき事をラップする。僕らは「ちょっとそこスペース空けろよ、そうすればハイになれるからさ」と言うべきなのだが、Shabazz Modus Operandiはいつも自分だけのスペースを持っているようで、いつでもハイになる事が出来るようだ※。
Shabazz Palaces Official Site
Sub Pop Records

※Space Out(スペースを空ける)には、ハイになるという意味も有ります。実際は"Clear some space out, so we can space out"という歌詞です。

試聴・ダウンロード
セットリスト
  1. Welcome To Daytrotter
  2. Toooonmiiight(未発表)
  3. An Echo From Hosts That Profess Infinitum(Black Up収録)
  4. Emblazoned on Ice(未発表)
  5. Blastit...(Shabazz Palaces収録)

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